『point 0 marunouchi』×B-OWNDで、オフィスにおけるアートの効用を検証する実証実験開始!
アート作品によるオフィス利用者の行動・心理変化を検証する実証実験を開始しました。
今回の実証実験にあたってB-OWNDは、B-OWND参加アーティストのアート作品16点(8か所)の設置に協力しています。
会員型オフィスのため一般公開されていませんが、
実証実験の概要とあわせて作品展示の様子を少しだけお見せします。
丹青社が参画している「未来のオフィス空間」を目指すプロジェクトのひとつ、会員型コワーキングスペース『point 0 marunouchi』(※注釈)において、オフィスにアート作品を取り入れることによる利用者の行動や心理の変化を検証する試みを、今週より開始しました。
B-OWND参加アーティストのアート作品16点をオフィスの8か所に展示し、point0参画企業や当社パートナー企業のセンシング技術等のテクノロジーを活用して人の動きや滞在時間、表情分析の測定を実施。さらに、 丹青社と理研ベンチャーが共同開発したスマートフォンアプリ「KOKOROスケール for workstyle」 で感情の収集を行います。
以上から、位置データ×生体データ×感情データ×購買データを取得し、
①アートが空間にもたらす効果の検証
②アートが人の感情・行動に与える影響の検証
③人の感情と作品の購買意識・応援機能との関係検証
④アート作品の変化がもたらす影響
といったアートがオフィスにもたらす効用を複合的に検証します。
この実験により、エビデンスに基づいた「アートのあるオフィスづくり」への発展を目指します。さらには、オフィスだけにとどまらず、様々な空間とアートを掛け合わせ、空間におけるアートの幅広い活用の可能性をさぐります。
オフィス用什器に組み込める専用の展示什器を採用し、アート作品を設置するスペースが予め設けられていない場所でも作品の展示を可能にしました。
左:高橋奈己《実》 右:笹井史恵《金魚-のびる》
据え置き型、吊り下げ型など、オフィス内で複数の作品を展示。設置したセンサーにより、オフィス利用者のデータを取得します。
据え置き型にて展示
ピックアップ作品
こちらのスペースではB-OWNDに参加する多くのアーティストの作品を現在展示しています。その中から幾つかピックアップし、ご紹介致します。
Photo by Tadayuki Minamoto
まず1点目は竹工芸家の四代田辺竹雲斎さんの「Disappear Ⅸ」という作品です。
伝統的な工芸技法とテクノロジーの融合によって生まれた斬新な形。
田辺竹雲斎さんとシンガポール在住のハーバード大学建築学部教授の貝島佐和子さんとのコラボレーションシリーズの一つです。
コンピューターによるアルゴリズム幾何学と3Dプリンターを駆使し、出来上がったデザインを基に、竹工芸によって作品は完成します。人間の手だけ、あるいはコンピューターだけでは、実現できない形状になっており、両者の融合によって初めて実現する圧巻の作品です。
2点目の作品は、陶芸家・高橋奈己さんの「実」という作品です。
自然界の種の美しいラインをモチーフにしたという本作品。
高橋さんが、思い描く理想の造形を創るために、非対称な形の「実」を抽象化し、複数のパーツに分けて「鋳込む」という手間のかかる工程により制作しています。
鋭さと滑らかな線から生まれた白磁の素地に映る陰影は、一様ではありません。グラデーションがあり、空間や光に作用し、見る人によって、微妙な色合いの変化を映し出します。白一色の白磁だからこそ感じられる陰影や造形の美しさを感じられる究極の造形美です。
3点目にご紹介する作品は、漆芸家・笹井史恵さんの「金魚ーのびる」という作品です。
笹井さんは、人が普遍的に持つ愛しいと思う気持ちの発露を目指して、植物や動物や子どもが持つ丸みのかたちを乾漆技法により再現しています。
本作品では、金魚の可愛らしさと、尾びれの美しさをイメージしており、やわらかい漆の質感と稜線の連なりによる美しさから、思わず触りたくなるような作品です。
B-OWNDは、今後もアートをもっと身近に感じられる取り組みを続け、アーティストや作品との新しい関わり方を積極的に提案して行きます。
WORDS
point 0 marunouchi(ポイント ゼロ マルノウチ) ダイキン工業株式会社、株式会社オカムラ、ソフトバンク株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、三井物産株式会社、ライオン株式会社が2018年7月30日に共同発表した、空間データの協創プラットフォーム『CRESNECT(クレスネクト)』を活用し「未来のオフィス空間」づくりを目指すプロジェクトのひとつ https://www.point0.work/