米・マイアミで開催の「SCOPE MIAMI BEACH2024」に出展 ~世界屈指のアートフェアで日本の美意識に基づいたアート空間の表現に挑戦~

陶芸家
12月3日(火)よりアメリカ・マイアミにて開催される「SCOPE MIAMI BEACH 2024」に昨年に続き出展します。

PROFILE

古賀崇洋(TAKAHIRO KOGA)
1987年福岡県出身。2010年佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業。2011年より鹿児島県長島町にて作陶。2017年より福岡県那珂川町、鹿児島県長島町にそれぞれ工房を構え、現在2拠点で作陶している。
千利休をリスペクトし、あえて相反する美意識として「反わびさび」を掲げる。その作風は、モノの存在感を際立たせるための、ド派手で豪華な色彩と、無数のスタッズが特徴的。 日本美術・文化の伝統的な造形をアップデートし、現代社会の問題意識などを反映させた作品を制作している。

 

酒井智也(TOMOYA SAKAI)
1989年愛知県出身。2015年名古屋芸術大学・陶芸コース卒業。2019年多治見市陶磁器意匠研究所修了後、愛知県瀬戸市にて活動。
まるで瞑想するかのように無心になってロクロと向き合い、ふいに思い浮かんだイメージを作品のパーツとして作る。それらを今度は、意識的に再構築することによって作品を完成させる。知らず知らずのうちに意識の底に沈んでしまった、本当は大切だったはずの記憶を、作品として生みなおしている。

 

中村弘峰(HIROMINE NAKAMURA)
1986年福岡市出身。明治時代から続く博多人形師の家に生まれた、若き4代目。2011年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了後、父・中村信喬に弟子入りし、家業を引き継ぐと同時に、従来の概念を打ち破る斬新な作品を発表している。
人形の本質は「人の祈りを形にしたもの」だと語る。 たとえば、古典的な五月人形に込められた「祈り」や「憧れ」を、現代に体現させるとしたら?そこで生まれたのが、アスリートに見立てた御所人形だった。人形の本質は変えず、今を生きる人形師として、そのふさわしい形を探求し続けている。

 

TeaRoom

2018年より活動するTeaRoomは、約450年前から日本に伝わる茶の湯の精神を受け継ぎ、分断を調和に変える作品を生み出し続けるアートコレクティブです。茶の湯はただお茶を点てる行為ではありません。それは茶室や庭園、掛け軸や茶器、いけばなや食に至るまで、相互的に支え合う関係性の美しさを感じる総合芸術です。いま世界では分断が加速をしています。その時代こそ、日本で生まれたこの関係性の美学を一盌を通して世界に届けて参ります。

 

12月3日(火)よりアメリカ・マイアミにて開催される「SCOPE MIAMI BEACH 2024」に昨年に続き出展します。

「SCOPE MIAMI BEACH 2024」は、マイアミビーチ上に設けられた巨大な会場内に130以上の国際的なアートギャラリーが出展する 、世界屈指のアートフェアです。

B-OWND所属の3名の作家による作品展示に加え、TeaRoomと共同で茶の湯を基盤としたインスタレーション作品を発表します。

本展示では、茶の湯が建築、庭園、茶器、いけばな、掛け軸、食といった多様な要素を統合し、450年以上にわたって確立されてきた総合芸術であることをアート作品として提示いたします。

現代アートでは個々の作品が独立した形を強調するために、ホワイトキューブ内で展示される傾向がありますが、本展示では、その傾向に反し、すべての要素が調和されたインスタレーション作品として空間及び体験ごと作品化します。

これにより、茶の湯が持つ多次元的・多層的な文脈の魅力を新たな形で表現していくと共に、作品単体で消費されてしまう西洋式の『点』の評価方法を踏襲するのではなく、さまざまな文化的要素を統合できる様式を含んだ『面』で評価される土壌をつくり、日本の工芸品や文化が持つ歴史性と付加価値をアートの文脈との接続により創出する試みを開始いたします。


SCOPE MIAMI BEACH 2024

【概要】

会期 2024年12月3日(火)~2024年12月8日(日)

会場 SCOPE MIAMI BEACH pavilion(801 Ocean drive Miami beach, FL33139,USA)

主催 SCOPE

公式ウェブサイト https://scope-art.com/

【B-OWNDブース】 G019・H021


<B-OWNDブースコンセプト>

2つのブースの内一つは、B-OWNDに参加するアーティスト3名による日本の伝統的な美意識や工芸に現代性が掛け算された新作約150点とマンガ・アニメなどの著名作家とコラボレーションした作品を展示いたします。

もう一つのブースでは、TeaRoomと共同で茶の湯を基盤としたインスタレーション作品を発表します。

本作品では、茶の湯が建築、庭園、茶器、いけばな、掛け軸、食といった多様な要素を統合し、450年以上にわたって確立されてきた総合芸術であることをアート作品として提示いたします。

現代アートでは個々の作品が独立した形を強調するために、ホワイトキューブ内で展示される傾向がありますが、本展示では、その傾向に反し、すべての要素が調和されたインスタレーション作品として空間及び体験ごと作品化します。


B-OWNDプロデューサー 石上賢 コメント

今年も世界最大級のマイアミ/アートフェアに参加し、B-OWND 所属の 3 名の作家による作品展示に加え、TeaRoom と共同で茶の湯を基盤としたインスタレーション作品を発表します。作品を通して茶の湯が持つ多次元的・多層的な⽂脈の魅力を新たな形で表現していくと共に、作品単体で消費されてしまう西洋式の『点』の評価方法を踏襲するのではなく、さまざまな⽂化的要素を統合できる様式を含んだ『面』で評価される土壌をつくり、日本の工芸品や⽂化が持つ歴史性と付加価値をアートの⽂脈との接続により創出する試みを開始いたします。

TeaRoom代表 岩本涼 コメント

TeaRoomでの活動が企業という隔たりすらも越え、今回アーティスト集団としてデビューさせていただくことになりました。戦争が意図的に起こされる時代。多くの方々が分断に心を痛める中、私たちは一盌の茶を通じて何を提供できるのかを創業より考え続けてまいりました。天災の多い国だからこそ、アニミズムに始まる自然への畏怖。その思想を物を通じて語っていきたいと思っています。千利休が行った場作り。場の価値を高めてこそ、その工芸の価値も上がっていく。場を創造してきた私たちにとって、世界に大切な問いを投げかける素晴らしい機会をいただきました。改めて自国の文化と向き合い、この国が問うてきた価値を世界の価値としてお届けしたいと考えています。

<参加アーティスト> 

古賀崇洋 TAKAHIRO KOGA

日本文化の「不完全性を愛でる」という美意識を、戦国時代に花開いた「わびさび」などシンプルで簡素なものだけではなく、派手な歌舞伎や侍文化にも垣間見られることに着目し、現代の志高い武将たちへエールを送る「頬鎧盃」や招き猫等の縁起物をモチーフにした代表的なシリーズを展示いたします。

《 頬鎧盃 》
古賀崇洋

酒井智也 TOMOYA SAKAI

「アイデンティティ」という普遍的でありながら個人的な感覚を探求し、「記憶」をテーマに制作しているアーティスト。古今東西の神をモチーフに取り入れ、集団的なアイデンティティや視点の多様性に光を当てる「Spirit」というシリーズの国外初展示となります。

《 Spirit series 》
酒井智也

中村弘峰 HIROMINE NAKAMURA

「もしも江戸時代の人形師が現代にタイムスリップしたならばどのような作品が生まれるのか」という発想を基に制作しているアーティスト。本展では、福岡市博多の伝統神事山笠の山車の制作技法からインスピレーションを得た新シリーズの平面作品および新作の立体作品を発表します。

《 波乗り不老BOY 》
中村弘峰

TeaRoom ティールーム
茶の湯関連文化事業を手掛ける同社が初のアートコレクティブとして参加します。

【作品概要:アート茶会「”Ichinen” –The Life Force at Every Moment」】


作品名:”Ichinen” –The Life Force at Every Moment
アーティスト名:TeaRoom
制作年 2024 年

<アート茶会コンセプト>

一盌(いちわん)を通じた祈り――それは、日常という平凡の中に秘められた崇高さを見出す行為である。万物は朽ち、生命はやがて塵へと帰る。それでもなお、私たちは茶の儀式を通じて、刹那の調和と静謐な美を見いだす。茶とは、単なる飲み物ではなく、分断を調和へと変える一念の象徴である。


作品構成内容:
茶室、茶会にて使用される全ての茶器、掛け軸/花器などの設え、茶会を開催する権利など全てが含まれる作品として展示販売いたします。

SCOPE2023の茶会の様子