【2022年6月】陶芸家・古賀崇洋が大阪で初の個展を開催します!

陶芸家
2022年6月、大阪で初の個展を開催する古賀崇洋。
この個展では、代表作《NEO MANEKINEKO》や《NEO DARUMA》の大阪バージョンの新作が発表される。
今回の記事では、個展のテーマや新作について取材した。
文・取材写真:B-OWND
作品写真:木村雄司

PROFILE

古賀崇洋

1987年、福岡県生まれ。2010年佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業。2011年より鹿児島県長島町にて作陶。2017年より福岡県那珂川市、鹿児島県長島町にそれぞれ工房を構え、現在2拠点で作陶している。2021年、個展「Anti Wabi-Sabi Takahiro Koga Solo Exhibition-創造力は自粛できない-」(渋谷 or | RAYARD MIYASHITA PARK/東京)を開催。ほか、箏パフォーマンス集団「TRiECHOES」とのコラボレーション、ファッションブランド「adidas」とのコラボレーションなど、従来の陶芸のイメージにとらわれない、多彩な活動を展開している。

2022年6月22日(水)〜6月28日(火)、「阪急メンズ大阪」(大阪府、梅田)にて、古賀崇洋氏の個展を開催します。今回の展示では、伝統的な「招き猫」と「ダルマ」をそれぞれアップデートした古賀の代表作《NEO MANEKINEKO》、《NEO DARUMA》の新作を発表するほか、酒器など約150点を展示予定です。なお新作は、「大阪」という土地にちなんだニューバージョンが登場します。

これまでも古賀氏は、展示を開催する土地や会場を意識した展示・作品を展開してきました。たとえば2021年秋には、原宿のアパレルショップ「LHP」(原宿店)で開催した個展で、ストリートカルチャーをテーマに、 グラフィティが施されたシリーズを発表しています。

大阪個展にも展示されるグラフィティが施された《NEO MANEKINEKO》
写真:木村雄司

詳しくは、こちらをご覧ください!

今回の個展に合わせた新作は、1970年に開催された大阪万博がモチーフとなっています。なぜこのモチーフに取り組んだのか、そして展示タイトルの「反進歩/反調和」が意味するものはなにかについて古賀氏に取材しました。

人類は進歩も調和もしていないのではないか

古賀氏は「反わびさび」や「下剋上時代の陶芸」を掲げるように、伝統的な美意識へのリスペクトを持ちながらも、あえてそれらに対極の概念を突きつけてきました。これによって、旧態依然とした文化に対するカウンターを生み出すことをテーマにしているのです。キーワードを理解したうえで対極を突きつければ、それらについて深く考えさせる契機になるとしたうえで、古賀氏は今回の個展のテーマについて次のように語りました。

古賀 今回個展を大阪で開催させていただけるとのことで、テーマとなるようなキーワードを探していたのですが、やはり2025年に日本国際博覧会(大阪・関西万博)も開催されますし、大阪といえば万博というイメージを持っていらっしゃる方も多いかなと考えました。

1970年の日本万博博覧会(以下、大阪万博)について調べてみると、テーマが「人類の進歩と調和」だったんです。現代の僕がそのテーマを見たときに、人間は本当に進歩や調和をしているのだろうか、と感じました。人間はいつまでも戦争をするし、技術的な進歩が多少あったとしても、本質は変わっていないと感じます。

僕自身も、陶芸家として新しいことは特にやっていないんですよ。先人たちが培ってきた技術や伝統、素材、そういったものの上に、僕の作品は成り立っています。

1970年の大阪万博の象徴として制作された《太陽の塔》は、制作者の岡本太郎が後に語ったように、進歩や調和とは真逆のイメージを打ち出したものです。進歩と言っておきながら、縄文土器にインスピレーションを受けているのも面白いですよね。きっと、真逆のものを付けることで、彼自身が本当の意味で、進歩や調和と向き合おうとしたのではないかと感じます。こういった姿勢は、僕のアーティストとしてのコンセプトや活動とも重なる部分がありますし、「反進歩/反調和」というのは、大阪個展のテーマとしてとても面白いなと考えました。今こういった時代だからこそ、人類の進歩や調和について改めて考えてみることがとても重要だなと感じています。

古賀 また、岡本太郎が縄文土器をフィーチャーしたという点もすごく面白いと思っています。

日本の固有の美とは何だろうと考えたときに、「わびさび」という美意識が出てくると思いますが、それとはまた異なる美的感覚をもったものとして、縄文土器があると思います。

大阪バージョンの《NEO MANEKINEKO》。招き猫の背後に燃え上がるように立つ炎の表現は、火焔型土器などの表現を取り入れたもの。稲妻が走ったような赤いラインと、目元にも注目。
写真:木村雄司

古賀 世界五大文明というものがありますが、あれは大体5000年ほど前のものです。一方で縄文土器は、1万8000年ほど前から出土しているとされていますから、縄文土器がその五大文明に全く影響を受けていない固有の表現であると考えると、あの独特の装飾性にはとても興味を惹かれます。

僕の場合は、装飾性をスタッズで表現することも多いですが、縄文土器の火焔型土器の表現などに感銘を受け、取り入れた作品も制作しています。岡本太郎や彼の作品には共感することも多く、今回は大阪で初の個展ということで、この要素を作品に取り入れたいと考えました。

大阪個展では《NEO MANEKINEKO》3バージョンが展示される

《NEO MANEKINEKO -CRYPTO-》
写真:木村雄司

2021年、長引くコロナ禍など、世の中の厳しい情勢の中で、福を招く存在として古賀が選んだ「招き猫」・「ダルマ」というモチーフ。そこに様々な時代性や思いを込め、これまでに複数のバージョンが展開してきました。今回の個展には、今年2022年5月に発表した暗号資産をモチーフとした《NEO MANEKINEKO -CRYPTO-》、また、2021年秋に発表のグラフィティ入りの《NEO MANEKINEKO》とあわせて、3バージョンの「招き猫」が並びます。

なお、《NEO MANEKINEKO -CRYPTO-》について、くわしくはこちらの記事をご覧ください。

作品に共通するのは、「時代を切り拓く意思と覚悟があれば、逆境を乗り越えられる」という思いです。昨今の不安定な国際情勢や人間の内面的な閉塞感を鋭敏に捉えた古賀の最新作を、ぜひ会場にてご覧ください。

【個展のお知らせ】

「陶芸家 古賀崇洋 個展 反進歩/反調和

Takahiro Koga Solo Exhibition – Anti Progress & Harmony -」

「下剋上時代の陶芸」を掲げる最注目のアーティスト・古賀崇洋氏の個展を阪急メンズ大阪にて開催します。

 古賀氏はこれまで「反わびさび」や「下剋上時代の陶芸」を掲げ、伝統的美意識へのリスペクトを持ちながらも、対極の概念を突きつけることで、旧態依然とした文化に対するカウンターをテーマに活動してきました。

 本展では、「人類の進歩と調和」をテーマに開催された、1970年の大阪万博をモチーフに、その対極を表した新作を発表します。また合わせて酒器約150点を展示します。

【展示概要】

会場:阪急メンズ大阪 1階メインステージ

会期:6月22日(水)~6月28日(火)

    ※会期中無休

営業時間:11:00~20:00

アートディレクション:B-OWND

詳細は下記ウェブサイトをご覧ください。

https://www.hankyu-dept.co.jp/mens/

※B-OWNDウェブサイトでの販売は行いません。店頭のみのお取り扱いです。