古賀崇洋 古賀崇洋の新作登場|内に秘められる美にカタチを与えた器が勢揃い!
これが古賀崇洋の「反わびさび」である。
モノに秘められる美が外に向かって弾け出す姿は、
手に取る者の感性を揺り動かさずにはいられない。
心臓よりも深い場所でひしめく無限の可能性に一隅を照らす。
混迷極まる時代だからこそ、手にしたい一品。
それが、SPIKYシリーズなのである。
写真:石上洋
PROFILE
古賀崇洋
1987年、福岡県出生まれ。2010年、佐賀大学文化教育学部美術・工芸課程卒業。千利休に感銘を受けた古賀は、あえて作品の存在感を際立たせる意味で、「反わびさび」を掲げる。物に内在する力を可視化するために、スタッズ(突起)を使用し、突出した人物を表現。世の中を変えてゆくような際立った存在を、磁器により結晶化する。2019年、六本木ヒルズA/Dギャラリーにて個展開催。2018年、パリ三越伊勢丹にて展示会出品。2019年、人気アニメ・東京喰種やスポーツブランド・adidas、ファッションブランド・CoSTUME NATIONALとのコラボ作品を発表など活躍の場を広げている。
内に秘められる美にカタチを与えた器
今回、古賀崇洋さんが製作した酒器には、「スタッズ」と呼ばれる金属で出来た”トゲ”がいたるところに散りばめられています。
一見すると、手にする人びとを拒絶するかのような様相ですが、だれかを否定して傷つけるような排他性を意味しているわけではありません。
そこには、歴史的背景を踏まえた古賀さんの”器に対する確かな哲学”が息づいています。
江戸時代に「侘び茶」を大成させた千利休は、黒い茶碗で器の存在感を極限まで削って”茶”そのものを引き立てたといいます。
古賀さんは、自らが敬愛する千利休と真逆の立場「反わびさび」から美の存在を追求した結果、人びとが手の中で器をヒシヒシと感じられる「スタッズ」にたどりつきました。
たしかに、”無関心”という言葉で覆われている現代社会では、圧倒的な存在感から繊細な美意識をあえて形作ることで人々の感性を呼び覚ますことができるのかもしれない。
何を見ても心が動かない。昨日のような今日、今日のような明日を繰り返しながらも、暗雲を突き抜けた”日々”が待ち遠しい。もしかしたら、多くの人たちは心のどこかでそう願っているのではないでしょうか。
SPIKYシリーズの酒器に注がれた透明な水がキラキラと光る姿を見ていると、こうした人々が本来、内に秘めている可能性を外に向かって思いっきり表現したら、きっと輝かしい未来が拓けていくはず……。そんな想いがフツフツと込み上げてくるのです。
作品紹介
それでは、古賀さんの作品をいくつか紹介していきます。
切羅SPIKY CUP 0620-V
切羅SPIKY CUP 0620-Vは、神秘的な色彩の玉虫を想像させるカップです。何色とも表現しがたい色彩を目指したといいます。
透明な液体を入れると、内面がきらきらと光り輝く、ラグジュアリーな仕上がりとなっています。フラットになった現代のモノに対して、あえて異物感をもってアプローチしています。
切羅杯0620-XIII
古賀さんは白磁を「白い宝石」と捉えて、その表面に映し出される陰影の美しさを追求してきたといいます。
ダイヤモンドをはじめとする宝石が、カットの仕方に応じて輝きを増すように、1マスを四面に区切る本作の形状は、白磁に映える陰影を表現するために生まれた造形です。
この形状は、プラチナ、ゴールドに施せば、光を反射させる「輝き」の造形へと変化します。陶磁器を「宝石」と考える古賀のコンセプトを表す作品といえるでしょう。
限定販売!頰鎧盃(ほおよろいはい)|オンライン説明会開催!
現在、B-OWNDでは、「SPIKY」シリーズとは別に「頰鎧盃(ほおよろいはい)」という作品を限定販売しています。
古賀さんによれば、戦国時代に命を賭けた武将たちが身につけていた華美な鎧や兜には、武力を宣揚するだけではなく、「美と美の闘争」が映し出されているといいます。
果たして、古賀崇洋さんは「頰鎧盃(ほおよろいはい)」にどのような精神性を込めて、私たちが生きる現代に何を問おうとしているのでしょうか。
今回、古賀さんに作品の背景について思う存分語っていただくオンライン説明会を開催することになりました。イベントの詳細は以下のとおりです。
【開催日時】
6月17日(水)19:00~20:30
18:45 開場(招待URLからオンラインに参加いただけます)
19:00 イベント開始・ご挨拶
20:30 イベント終了
【参加方法】
1.お申し込みフォームに必要事項をご記入の上、送信してください。
2.お申し込みフォームにてお申し込みいただいた方に、オンライン説明会参加用URLをお送りします。
お申し込みフォームはこちら>>>(←クリックすると申し込みページに飛びます)
今、ここでしか感じることのできないアーティストの生き様を体感する最高の瞬間をお届け致します。みなさまのご参加、心よりお待ちしております。
なお、頰鎧盃のコンセプトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
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