家でアートを楽しむオンラインイベント「Stay at Home with ART」 「Stay at Home with ART」企画第5弾 陶芸家・市川透氏とオンライン飲み会を開催!

【イベント開催報告】

「Stay at Home with ART」企画第5弾は、陶芸家・市川透さんとのオンライン・イベントを開催しました。本イベントでは、対象作品をご購入いただいた方たちと陶芸家・市川透さんが酒器を持ち寄って「オンライン飲み会」を行うといったものです。「アート作品」という共通の土壌が、住まい、職業、世代が異なる十人十色のコレクターたちをあっという間に和やかな雰囲気に……。工芸に見出される「美」であるがゆえに、一人ひとりが「用いる」ことで芸術を身近に感じられる。そんな新しい日常の始まりが「Stay at Home with ART」なのです。
文・構成 森本恭平

PROFILE

市川透(陶芸家)

1973年、東京都出身。2011年、陶芸家・隠崎隆一氏に師事し、備前焼の技法や自由な発想の造形感覚を学び、2015年に岡山県にて独立。2016年の初個展からこれまで備前焼の概念を覆す作品を多数発表してきた。熱い血が流れるような赤。スタイリッシュでメタリ ックな黒や金銀の光彩。その圧倒的な存在感から響いてくるのは、さながら〝自由への咆哮〟である。国内外のギャラリーや百貨店にて個展を開催、また多数のアートフェアにも作品を出品している。

1.市川透さんの作品

「Stay at Home with ART」企画第5弾では、陶芸家・市川透さんの酒器、全15作品が販売されました。ここでは、その一部をご紹介したいと思います。

この作品は青磁「Resilience(レジリエンス)」。レジリエンスとは「回復力」や「復元力」と訳され、物理学、生態学、心理学などの分野で使われている言葉です。

東日本大震災以後、レジリエンスは度重なる未曾有の困難に対して「文明と人間のあり方」を問うキーワードとして注目されてきました。

とりわけ、時の試練に耐えて存続する生態系には、環境の変化がもたらす危機に瀕しても、“それをバネに進化を遂げるチカラ”があります。

いつ、どこで何が起きるのか、だれにも分からない不確実な時代だからこそ、自ら回復力を発揮しようと試みる生き様が求められている。こうした新しい時代の感覚から表現された「青磁」には、生命に内在するレジリエンスが写し出されています。 また、本イベントの開催に際して、市川さんから寄せられたメッセージを見ると、今回、発表された作品に込められる精神性の一端を垣間見ることができます。

【市川透氏メッセージ】

刻々と移りゆく現象を前に、未だかつて無い危機を覚えながら人類はウイルスとの闘いに生と死を目の当たりにした。「我々一人一人の在り方」というものが問われていく時代になったのだ。この時代だからこそアートや美術や工芸が人々の救済に向かうべき道を切り開くものでありたい。アーティストとして何を伝え表現していくか、大きな課題を抱えているのです。

2.作品という大地に芽吹く“和み”

新型コロナウィルスの感染拡大により“自宅”で過ごす時間が増えています。仕事終わりに居酒屋で一杯飲むという日常が少しばかり遠い記憶になっている人たちも多いのではないでしょうか。

そのなかでブームになった新しいエンターテイメントが「オンライン飲み会」です。

一見すると、画面越しに酒を酌み交わすというコミュニケーションに戸惑いを感じることもあるかもしれません。 しかし、「Stay at Home with ART」では、普段、関わりのない遠く離れた人たちとも自然に会話を楽しむことができます。それは、市川透さんを中心にして、一人ひとりが「作品への想い」を語る瞬間に、お互いの感性がしなやかに結びついて“和み”が生まれているからだと思います。

また、酒器を愛でる眼差しから胸に秘められる市川さんの作品と出会った感動が語られたときには思わず、「素晴らしい!」と声が漏れて目の奥がキラッとしてしまう。

それもまた「Stay at Home with ART」から紡がれる麗しいひと時です。

現代社会で時間に追われて過ごしていると、自分の五感で捉えた純粋な気持ちを真っさらに語らう機会はそうそうありません。

けれども、アート作品の前では肩に背負われた立場は意識せずとも削がれていきます。だれもが陶芸家・市川透の酒器に心を踊らせる一人の人間になれる。

好きなものについて語り、美味しいお酒を味わう贅沢さにほろっと酔いしれる。あっという間にすぎたオンライン飲み会を経て、再び酒器を眺めると、「Stay at Home with ART」で市川さんと過ごしたメモリアルな心象が浮かび上がってきます。

3.芸術と過ごす日常のはじまり

芸術といえば、美術館やギャラリーに行って、絵画や彫刻を見るなど普段とは違う非日常的な営みと思われがちですが、何かと出会って美しいと感じる世界のすべてがアートに関わることだと思います。

人間に感情や感性がある以上、だれもが芸術にアクセスできる。

新型コロナウィルスという未曾有の危機に直面して、人と語らう機会が物理的に制約されています。 こうした時代だからこそ、「Stay at Home with ART」を通して、先行きの見えない不安を突き抜けて未来を切り拓いたアーティストと一緒に過ごして、芸術を身近に感じながら「自分自身のあり方」を見つめなおしてみませんか。