ウルトラマン60周年コラボレーション展示 ウルトラマンシリーズ60周年記念「B-OWNDコラボレーション展」インタビュー 陶芸家 幸兵衛窯八代目・加藤亮太郎(前編)

ARTIST
ウルトラマンシリーズ60周年を記念して、B-OWNDによるスペシャルコラボレーション展が実現しました。本展では、「ポップカルチャー」と「工芸」を融合させ、アーティストたちがウルトラ怪獣の皮膚感や独自の造形美を再解釈し、創り出した作品が誕生しました。 参加した全8名の各アーティストに、ウルトラマンシリーズの「原体験」や制作背景について伺いました。
文章・B-OWND
写真・木村雄司 / 仲信達也

PROFILE

1974年、岐阜県生まれ。七代 加藤幸兵衛の長男。人間国宝 加藤卓男の孫。1804年に開窯した美濃焼を代表する窯元 幸兵衛窯の八代目。京都市立芸術大学大学院で陶芸や書を学ぶ。1999年、同校陶磁器専攻修了。穴窯焼成による美濃桃山陶の伝統に正面から向き合いながらも、コンテンポラリーなエッセンスを盛り込んだ作品を制作している。また彼は、20年にわたって茶道を嗜む茶人でもあり、茶陶を深く理解する陶芸家として定評がある。近年では、書家としても活躍の場を広げている。

ウルトラマンシリーズの原体験

― 加藤さんにとって、ウルトラマンシリーズにおける「原体験」についてお伺いしたいです。幼少期の記憶のなかで、ウルトラマンはどのような存在でしたか?

当時はストーリーの深い背景までは分かっていなくて、とにかく「戦闘シーン」が楽しみで仕方がなかったんです。

ちょうど夕方の5時というのは、ご飯時で、家では「ご飯を食べながらテレビを観てはいけません。早くご飯を食べてからテレビを観なさい」と言われていて・・・。

どうしても戦闘シーンに間に合わせたくて、早く観たいからって、いつも泣きながら急いでご飯を食べてテレビに向かっていました。それくらい、私にとっては強烈に憧れの存在でしたね。

― 今回のウルトラマンとの企画ですが、キャラクターコラボレーションを自身の作風に落とし込む経験は、これまでにありましたか?

加藤 いえ、こうしたコラボレーション自体、今回が初めての試みになります。

「織部」と怪獣デザインの共鳴

加藤亮太郎 ウルトラマン
写真提供:仲信達也

― 自身の伝統技法や作風のなかにウルトラマンシリーズのアイコンを落とし込んでいく段階で、技術的な葛藤や、あるいは感情的なワクワク感はありましたか?

加藤 私は普段、穴窯焼成による美濃桃山陶という伝統技法を本道としてやっています。

今回の依頼をいただいたとき、自分の持っている釉薬や技法の範疇のなかで、どうすればウルトラ怪獣たちのテクスチャーや色、模様とマッチさせられるかを色々と模索しました。

たとえば「ダダ」という怪獣は、子どもの頃から「気持ち悪いデザインだな」と思って観ていたんです(笑)。

でも、あのモノクロの模様や、名前の由来(ダダイズム由来と言われている)も含めて、すごくアーティスティックな匂いを感じる優れたデザインですよね。「エレキング」の模様なんかもそうです。

実は、私が手がけている「織部(おりべ)」という焼き物も、当時(桃山時代)の最先端のデザインや抽象模様を大胆に取り入れて、新しいものとして生み出されてきた歴史があります。

別のものと別のものを合体融合させることで、新しさを生み出し、お客さんに「こんなものは見たことがない」という驚きをプレゼンテーションしていく。それが織部の考え方なんです。

― 今回、制作対象とされた各怪獣について、造形的な魅力や選んだ理由を教えてください。たとえば「タッコング」はいかがでしょうか。

写真提供:仲信達也

加藤 タッコングは丸い形で、タコの吸盤のようなものがたくさん付いていますよね。私が普段作っている、丸い手びねりの茶盌に形がすごく似ているな、というところから選びました。

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ウルトラマンシリーズ60周年記念「B-OWNDコラボレーション展」

会  期:2026年10月2日(金)~13日(火)
会  場:B-OWND Gallery
〒103-0028 東京都中央区八重洲1-6-1 TOFROM YAESU TOWER 1階
営業時間: 11時~20時

定休日:月曜日

月曜日が祝日の場合は営業し、翌平日に振替休業いたします