今村能章 今村能章氏の個展を開催します(2022年12月)

2022年12月9日(金)〜12月16日(金)、
陶芸家・今村能章氏の個展を、アフロ―ドクリニック(表参道)にて開催します。
今回は、個展のコンセプトや作品について今村氏に取材しました。
文・写真:B-OWND
作品写真:木村雄司

PROFILE

今村能章

1984年、兵庫県生まれ。沖縄県立芸術大学大学院修了。2013年、自らのアトリエを立ち上げ作家活動を始める。

 

はじめに

2022年12月9日(金)~16日(金)、クリニック兼アートギャラリーのアフロードクリニック(東京都、表参道)と共同で、陶芸家・今村能章氏の個展を開催致します。

展示タイトルは、「今村能章個展-我々はどこから来て、どこへ行くのか-」。

未知なるものや普遍的なものを追い求め、それらを表現することで世の中の真実を問うてきた今村氏。今回の展示を通して表現したいこととは何なのでしょうか。

地球の時間と人間の時間のズレは、将来何をもたらすか

―今回の展示テーマについて教えて下さい。

今村 今回の個展では、世界の始まりから終わりまでを見せるような展示にしたいと考えています。聖書にあるアダムとイブの「知恵の果実」をモチーフにした作品や、人間の脳が溶けて垂れたような作品を展示することで、世界の始まりから終わり、というテーマとその世界観を見せることができればと思っています。

―そういった展示を見せたいと思われた理由をお聞かせください。

今村 今、人間は少し、行き過ぎているような感じがしているんですよ。ここ数年の、コロナウイルスやウクライナでの戦争、あとはデジタルの発展によって、世の中が大きな変化を迎えました。世界中の人が一斉に同じワクチンを体に入れ始めたり、戦争によって急に制作に必要な原料が手に入らなくなったり。あと、これは批判的な意味ではないですが、NFTもデジタル上のものに証明を付けたりということは、以前は想像もしなかったことです。

その一方、全く違うベクトルで、地球は実はちゃんと動いてるということを、作品を通して認識してほしいなと思ったんです。

―「全く違うベクトルで地球が動いている」とは、例えばどういったことでしょうか?

今村 2021年に、小笠原諸島で噴火があり、軽石が沖縄の岸にたどり着いたというニュースが話題になりました。人間の価値観で考えた結果、人々は漁船が沖に出られないために軽石を邪魔なものとしてかき集め、捨てたんです。その一方で、もし地球という軸で考えてみれば、軽石は贈り物でした。

なぜかというと、そのおかげで海にミネラルが一気に放出されて、海が豊かになったからです。さらに軽石は、海の表面に出てきて、2か月もの時間をかけて沖縄にたどり着くまでに、マイクロプラスチックのようなゴミをたくさんくっつけて岸に上がりました。つまり、軽石が海を掃除しながら来たんじゃないかと思っていて。人間からしたら邪魔なものだけれど、もっと広い視点で捉えれば、地球にとっては「恵」だったということです。

人間は、賢くなりすぎたかもしれない

今村 人間は、当然自分たちの脳で物事を考えますが、そうなると、自分たちの都合を中心とした価値観で生きてしまうのではないでしょうか。今、人間は賢くなりすぎているような気もします。だから一度、この辺りで立ち止まって、どんな未来に進んでいくべきかを、改めて考えた方がいいんじゃないかと思ったんです。今回は、そのきっかけになるような作品を作りたいと考えました。そこで今回は、知の象徴として「脳」というモチーフを作品に取り入れています。

―なるほど、それは「賢くなりすぎた人間の脳」ということでしょうか?

今村 悪い意味だけではなく、良い意味も含んでいます。今回このモチーフを選んだのは、個展の会場であるアフロ―ドクリニックの医師・道下将太郎さんが脳神経外科医でいらっしゃるということもあります。そしてアフロ―ドクリニックさんは、いい意味でまさに人間の脳の最先端だな、と感じています。医療に対する考え方がとても画期的ですし、本質をとらえつつ最新のメソッドを取り入れていらっしゃるので、クリニックを見学させていただいたときはとても驚きました。

僕が子供だった30年前ほどなんて、脳神経外科という言葉も一般的ではなかったと思います。それなのに、たった数十年の間に「オリンピックのアスリートたちには、プロテインではなく音楽を処方してみよう」ということが起きています。

以前から、人間があまりにも急速に発展してたことで、地球単位での時間の流れとズレが生じているんじゃないか、それがこれから大きな破滅を生むかもしれないと想像していたんです。ですが一方で、アフロ―ドさんのような脳=知の使い方であれば、うまく地球の時間と融合していける未来が作れるんじゃないかなとも感じています。

なぜ重力を可視化するのか

―地球単位での時間の流れというのは、先ほどおっしゃってた軽石のお話のような事ですね。今村さんは、これまでも「時間」や、そして今回は脳が垂れるという表現ですが、釉薬をだらりと垂らすことで「重力」を可視化するような作品に取り組まれてきました。今回の作品においても、それらを感じさせる表現が多用されていますが、なぜそもそもこういったものを可視化するのでしょうか?

今村 とくに「重力」に関しては、重力そのものをテーマにしているというよりも、世界にある「普遍的なもの」を見せたいという思いからです。

例えば今、Googleで検索したら、何でも情報が入ってくる世の中じゃないですか。でもその一方で、不確実なことや嘘も溢れています。そういった世界のなかでも、おそらくこの世ができてから唯一変わらない共通事項、誰もが同じ条件で感じているひとつが、重力だと思うんです。地球の酸素濃度が変わったり、生物が絶滅を繰り返したりするなかでも、重力はずっと変わらない事実としてありつづけていますよね。

普遍的なものを一つ、トンと置いておいて、それを確認したうえで表現を始めたいっていうのがあるのかもしれません。そして「重力」を作品として可視化することで、例えばこの世の始まりや終わりという「時間」の流れを、想像してみることができるんじゃないかなと思っています。

―今回の展示のメインの作品となるのが、その「重力」と「脳」を組み合わせた作品ということですね。

今村 そうですね。特にメインになるだろう作品は、脳から一本の花を模した造形物が生えていているものです。花と言っても、髑髏が入った蕾のようなものがついている作品です。

聖書には、神がアダムとイブをつくり、エデンの園に善悪を知る樹を据えたというエピソードがあります。神からはその樹になってる実を食べてはいけないと言われますが、イブは蛇に唆されて食べてしまう。それをきっかけに、結局アダムとイブはエデンを追われ、そのタイミングで人間には寿命ができて、その先アダムとイブの子供たちが人類史上初めての人殺しを起こしたりと、罪を重ねていきます。この作品は、その禁断の果実をイメージして作りました。

結局この聖書のエピソードがなにを示唆しているのかというと、僕の解釈では人間は必要以上に知恵をつけすぎると滅びるよと、神が言っているということだと思うんですよ。行き過ぎたり、利己的に進んではいけないと。

現代の預言者が人々を救っていく

今村 アフロ―ドクリニックさんは、たしかに「最先端の脳」と感じているのですが、悪い意味での行き過ぎた脳とは違っているなとも思います。最先端なんだけれど、すごくバランス感覚があるというか。まるで預言者のような感じがしますね。

―面白いですね。どういった意味でしょうか。

今村 預言者って、今から大災害が起きるぞ、ということを知っていて、それをみんなに伝えるような存在というか。世界の未来がどうなるかを見越していて、人の命を救っていくような役割もありますよね。

おそらく、医師の道下さんも、目に見えているモノだけを対象にしている方ではないと思うんです。1秒2秒という単位ではなく、もっと先を見ているような。それは自分の制作スタイルとかスタンスにとても近いなと感じています。

僕は、どうしてもアフロ―ドクリニックさんが医療機関という風には感じられなくって(笑)。というのも、いらっしゃっている方々は、医療を受けるために来ているというよりも、自分の身体や心について知り、自分と向き合うために来ているんじゃないかなと感じたんです。そういう意味でも、アフロ―ドクリニックさんは、未来を見る機関とも言えるかもしれませんね。

今村 これは、まさにエデンの園でアダムとイブが行った禁断の果実を食べる行為のような出来事がアフロードクリニックで起きているとも考えられるのではないでしょうか。では、どういうふうに進んでいけば人類は滅びないのか、もしくは滅びるのかというのを、この個展を通してみなさんと一緒に考えていきたいなと思っています。

―お話を聞いて、展覧会を拝見するのがとても楽しみになりました。

今村 ありがとうございます。今年は半年以上かけて、この個展のために作品を作り続けてきました。展示されるのは、今持てるすべてを注いだ力作ばかりです。もちろん、オブジェ作品だけでなく、定番のシリーズの《ドアノブカップ》も出しますが、これもアップグレードした作品だけを厳選して出品します。

ぜひ会場に足を運んでいただき、多くの方に展示を見てほしいと思います。

―今村さん、本日はありがとうございました。

【展示のお知らせ】

展示タイトル:『今村能章個展 -我々はどこから来て、どこへ行くのか-』

この度B-OWNDは、クリニック兼アートギャラリーのアフロードクリニック(東京都、表参道)と共同で、陶芸家・今村能章の個展を開催致します。今村は、陶芸家である自らを錬金術士であるとして、未知なるものや普遍的なものを追い求め、それらを表現することで、世の中の真実とはなにか?を問うアーティストです。独特な世界観によって生み出される唯一無二の作品は、今、国内外を問わず注目を集めています。

本展では、「世界の始まりから終わりまで」というテーマのもと、異なる時間軸で生きる地球と人間、この両者の関係性を考えるさせる作品を展示します。

気が遠くなるような時間をかけて営みを続ける地球、それに比べ、一瞬ともいうべき時間で、すさまじい進化を続ける人間。今日では、資本主義のなかでそれらがさらに加速し、両者の時間軸には大きなズレが生じはじめているのではないでしょうか。利己的な価値観で地球を支配する人間たちは、いずれ世界を破滅へと導くかもしれません。

会場であるアフロ―ドクリニックは、最新のメソッドを用い、本質的な治療を施す場です。ここで行われているのは、だれもが世界と自分とに向き合い、それらを知ることでよりよい人生を目指す行為です。今村は、この医師たちを、人々を導き世界を救う「現代の預言者」に見立て、どうすれば人類は滅びないのか、もしくは滅びるのかという「現在」と「未来」を、この個展を通して共に考えたいと語ります。

会場では、オブジェに加え、人気の酒器やカップも登場します。これらは、これまで発表してきたものをすべてアップグレードしています。今村が、半年以上かけて制作した力作をぜひご覧ください。

展示期間:12月9日(金)~12月16日(金)

会場:アフロ―ドクリニック(https://afrode-clinic.art/)

   〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3丁目5-7 BASE 神宮前B1

営業日:月・水・金・土・日

営業時間:10~19時

【アフロ―ドクリニックとは】

アフロードクリニックは、東京・表参道にて米国式の医療的見識を幅広く取り入れ、最先端の医療を提供するクリニックです。アフロ―ドクリニックの「アフロ―ド」(Afrode)とは、「”A”live “fro”m “de”ath」を意味する造語で、「死から生を見つめる」という人生観を表現しています。「死」を意識することによって、幸福な「生」を見つめなおすという視点のもと、一般的な医療の提供のみならず、アートや美容など他分野とのコラボレーションを通じて新たなウェルビーイングを創造しています。


【クリニック特典のお知らせ】

今回の個展で作品をご購入いただいた方にアフロードクリニックから下記の特典をご用意しております。


●無料
 ー Inbody 体内組成
 ー 肌診断
 ー 血液検査
 ー 「点滴全種類」または「ハイドラフェイシャル(毛穴クリーニング)」

●その他
 ー 次回来院時30%オフ